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2009年7月 7日 (火)

 円城塔の「Self‐Reference ENGINE」を読む。芥川賞候補にもなった「オブ・ザ・ベースボール」もよかったけど、これはもっとすごかった。いや、己の拙作なんぞおち○このおかすさま(って友達がよく言う)ですわ。そりゃ落ちるわ。ヒルデガルドのレポートのくだりで腹かかえて笑う。
 
 文体は思考の運動で、のどがふるえれば歌唱になるのと同じように、脳味噌が動けば文も動く。実際のところ、文章は身振り手振りに属するものなんだと自分は思っている。なんつーか脳振り? 提案した先から反駁されて打ち消され続けてうっすらとしかし確実に残滓を重ねる執拗に多層的な思考も、本来ならばピーキーなはずのその足取りを危うげなものに感じさせない論理の確かさも該博さも圧倒的。自分が八分割しかできないものをさらっと三十二分割くらいにはしちゃうような見事な手際。ここまで「あーこりゃ勝てんわ」って思ったのは初めてです(だいたいそのひどい自己の過大評価が間違いのもとなのだけど)。

 彼は自分より十歳上で、自分もあと十年したらこんな小説書けるようになるんだろかとか考える。それとも今のままで頭打ちになるんだろか。まあ、パニクって今まで全然読んでなかったメフィスト系の本大量に図書館で借りてる場合じゃないってことですわ(好きな人ごめんなさい)。自分の本来やりたいことで、まだまだ勉強しなきゃならんことがある。

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